ハンドメイド作家として本気で活動したいなら、避けては通れない「確定申告」。特に、数字や経理が苦手な人にとっては、大きな壁に感じるかもしれません。
私はそんな不安を抱えながら、青色申告会に入会しました。この記事では、実際に5年以上利用して感じたメリットや体験談をもとに、青色申告会の魅力をわかりやすく紹介します。
「直接会って相談がしたい」「女性の方に教えてもらいたい」という方にオススメの「青色申告会」について書いていきます。
確定申告が不安なハンドメイド作家に「青色申告会」という選択肢
確定申告と聞くと、「難しそう」「間違えたらどうしよう」と身構えてしまう人も多いはず。最近ではfreeeや弥生などのオンライン会計ソフトも充実していますが、私は「やっぱり人に相談できる環境がほしい」と思い、青色申告会に入会しました。
パソコンや会計の知識があまりなくても、スタッフが一から丁寧にサポートしてくれるので、初心者でも安心して確定申告に取り組めます。
ハンドメイド作家が青色申告会に入って感じた5つのメリット
簿記2級でも不安だった私が相談できた安心感
私は日商簿記2級を持っているのですが、それでも実際に確定申告となると「この処理って合ってるの?」と毎回手が止まってしまいます。特に売上金の一部を誤って個人口座に振り込んでしまった時は、どう記帳すればいいのか混乱してしまいました。
青色申告会に相談に行くと、「その場合は〇〇の勘定科目で処理できますよ」とすぐにアドバイスをいただけて、モヤモヤが一気に晴れたのを覚えています。
女性の相談員さんで話しやすい環境
また、私の担当は女性の方なので、やはり話しやすいし細かいことが伝わりやすいです。専門用語をかみ砕いて説明してくれるので、経理に慣れていない人でも理解しやすいです。
県によっては女性の相談員さんがいないこともあるかもしれませんが、一度相談に行って話しやすそうな方がいれば入会するのもよいと思います。
ソフトのインストールもパソコン持参で対応
青色申告会に入って最初に導入する「ブルーリターン」という会計ソフトはWindows専用ですが、私はパソコンを持参して初期設定から入力方法まで一緒に教えてもらいました。一人では絶対にできなかったので、本当に助かりました。
家賃や車など、経費の幅が広がった
材料費だけでなく、自宅の一部を作業スペースとして使っている場合は家賃の一部を経費にできることや、車の減価償却についてなども教えてもらい、経費の考え方が広がりました。
何でも相談できて自信がついた
ネットで調べても分からない細かい疑問をその場で質問できる環境があるのは本当に心強いです。青色申告会に通うようになってから、確定申告のたびにドキドキすることがなくなり、自信を持って申告できるようになりました。
青色申告会の基礎情報(会費やソフトなど)
個人事業主による個人事業主のための団体
正式名称は「全国青色申告会連合会」で、各都道府県にいくつか設置されています。
私の住んでいる岐阜県にも6か所あるので、相談にいきやすいです。管轄が決まっているかもしれないので、一度電話してみるのがオススメです。
青色申告会は「個人事業主を中心として組織される納税者団体」だそうです。
各地域の税務署ごとに組織されていて、「個人事業主の青色申告をサポートし、正しい申告と納税を推進する」という目的で活動されています。
他には、個人事業主のための保険や個人年金、懇親会、借り入れの相談、最近だとインボイスの勉強会などもあります。私はまだ参加したことはないですが、これから活用していけたらと思います。
青色申告会の年会費
青色申告会の会費は地域によって異なるようですが、私のところは12000円/年です。
地区によって1000円~2000円/月のところもあるようです。
税理士さんにお願いすることを思えば安いですよね。
特に小規模から始めるハンドメイド作家さんにとっては質問し放題で月に1000円~は本当に助かります。
また、この年会費も「諸経費」という勘定科目で経費に計上できるので、節税にもなりますね。
青色申告会で使用できるソフトはブルーリターンのみ
今freeeなどの会計ソフトが有名ですが、青色申告会で使用できるソフトは「ブルーリターン」というソフトのみです。
入会するとまずそのソフトを購入します。(19800円 保守料3年分9900円)
ソフトの購入は一度きりです。
freeeなどに比べると最初の年が高く感じてしまいますが、次の年からは年会費のみとなります。
保守料は3年ごとに9000円かかります。
3年後には税理士さんに丸投げできるようになるぞ!!と目標を持つのもいいですね。
私はパソコンごと持って行って一緒にインストールしてもらい、初期設定してもらって、基本的な入力を教えてもらいながら一緒に入力してもらいました。
注意点はブルーリターンが使えるのはWindowsのみで、Macは対応していないことです。
青色申告をするには申請が必要
この記事を読んでいるのが4月~12月の方はごめんない。
遅かったですね。
もう今年度の確定申告には間に合いません。
税務署へ行って、白色申告で申告してください。
青色申告をするためには、
「次回から青色申告で申告します」という書類を3月15日までに提出しなければいけません。
なので、今年は白色で申告して、その時に一緒に「所得税の青色申告承認申請書」を提出してきましょう。今はe‐taxからもできるようです。
青色申告会に入るのも、なるべく早い方がいいです。遅くても10月ころまでに入会しましょう。12月ころになると相談に来る人が増えて予約が取りづらくなります。
(10月以降に入ると年会費が半額になるところもありますが、無料で相談・質問し放題なのは12月までです。)
青色申告会ならICカードリーダー不要
e‐taxとは「国税庁が運営する、国税に関する申告・納税・申請に係るオンラインサービス」です。
セキュリティが強くて便利、とうたわれているようですが、事前のパソコンのセットアップや、ICカードリーダーが必要になります。
青色申告会に入会していればe⁻taxについての勉強もICカードリーダーもいりません。
申告の日にマイナンバーカードとパスワードを持っていけば、その場でやってもらえます。実際には週に一度税理士さんが来て、まとめて送信してくれるんだそうです。
ハンドメイド作家は忙しいですから、そういうことをお任せできるのは助かりますよね。
税務署から税務調査が入ったら立ち会ってくれる?
個人事業主のところに税務調査がくることは滅多にありませんが、ないとは言い切れません。
そういう時、青色申告会は立ち会ってくれるかというと、答えはNOです。
そういう時に何もやましいことがないように毎年きちんとしておくのを手伝ってくれるのが青色申告会だと思ってください。
もし不安がある人はその時に税理士さんを探せばよいでしょう。
白色申告で焦った私が青色に切り替えた理由【体験談】
私は「ハンドメイド作家としてこれから稼いでいく!」と決めたなら、最初から白色申告ではなく、青色申告にしておくことをおススメしています。
私は最初収入があった年に「どうしよう?!」と税務署に駆け込みました。
そして大して収入があったわけではないのに、扶養から外れそう・・・という恐怖を経験しました。まだ赤ちゃんだった娘を抱え、来年はどうなるのか分からない状態で扶養から外れることは是非とも避けたい事態でした。
幸い、いい職員さんで、「ちょっとまっててね」と奥に引っ込み、何やら誰かと相談して、「この特別控除が当てはまりそうだから」と数万円引いてくださり、その年は扶養から外れないで済みました。

「来年からは青色申告にした方がいいね。所得から65万円ひけるから」
「来年から青色申告にしたいなら今書類を書いておいてね」
と教えてもらいました。
そしてついでに、まだ出していなかった開業届も提出しました。
税務署って聞くと怖いイメージがあるかもしれませんが、意外と行ってみると丁寧に教えてもらえます。
開業届も開業した日と屋号を書いてハンコ押すだけです(笑)
「青色申告は難しそうだからまだ白色申告でいいや」と思っていると、突然売れるようになった時に泣きを見るかもしれません。
また、私は最初の年は経費として材料費くらいしか計上していませんでしたが、青色申告会で賃貸の家賃やガソリン代の一部、車の購入費の減価償却の仕方なども教えてもらい、心に余裕を持てるようになりました。
せっかくハンドメイドで売上を上げたいと思っているのに、税金の心配をしていたら手が止まってしまいますよね。
オンライン会計ソフトと比較してみた
オンライン会計ソフトのメリット
- 銀行やクレジットカードと連携できて自動入力が可能
- スマホからも操作できる
オンライン会計ソフトのデメリット
- 分からないことを調べるのに時間がかかる
- 対面で質問できる環境がない
オンライン会計ソフトはメリットが色々ありますが、口コミを見てみると、わからないことがあったときに「よくある質問集」から自分に合った答えを探すのに時間がとられる、というコメントがやはり目立ちました。
私はまだ不安が多いので、気軽に相談できる青色申告会を選んでいます。
年間スケジュールと確定申告直前の動き
ハンドメイド作家は制作、販売、SNS更新、マーケティングと色々やることがあって大変ですよね。
経費計上も毎月コツコツできるとベストですが、なかなか私もできません。
数年やってみて、ギリギリに焦らないためにスケジュールを立てましょう。
毎月
- レシートや領収書は月別にまとめて保管
- 手書きで収支メモをつけるだけでもOK
私はルーズリーフを縦半分に線を引いて、収入と支出に分けています。
ルーズリーフに挟めるクリアファイルに挟んで、レシートを入れています。
10月
- 売上と経費をまとめて、扶養の範囲をチェック
- 一度、青色申告会に相談に行く
私はもうだいぶ慣れてきたので行かなかったのですが、今年は車を購入していたので、「10万円以上の買い物があるときは一度来てほしかった」と言われました(;^_^
11月〜12月
- カードの明細を整理・入力
*毎月明細を送ってもらうのは有料ですが、「確定申告のため」と言ってまとめて送ってもらうのは無料の会社が多いです。2週間くらいで届きます。自宅で印刷できる人はそれでもいいです。
1月
- 青色申告会の予約(早めが吉)
- カード会社に残りの月の明細を送ってくれるよう電話する。
(自動音声で何番を押すか控えておくと、来年から楽です。)
2月
- 申告書作成し、持ち物(通帳、パソコン、カード明細、マイナンバーカード、マイナンバーの暗証番号)を用意して、予約した日に行く。
- 時間は50分となっていて、その時間に終わらないと別日に有料で予約取り直しになってしまいます。
青色申告会が向いている人・向いていない人
向いている人
- 経理が苦手で丁寧に教えてもらいたい人
- 対面で相談したい人
- 確定申告を一人でやる自信がない人
向いていない人
- 全てオンラインで完結したい人
- Macユーザー(ブルーリターン非対応)
まとめ|青色申告会は忙しいハンドメイド作家の心強い味方
確定申告の不安を抱えるハンドメイド作家にとって、青色申告会はまさに“伴走者”のような存在です。
わからないことをすぐに聞ける環境があるからこそ、本業である作品作りにも集中できます。これから本気で活動したいと考えている方は、ぜひ一度、地域の青色申告会を調べてみてくださいね。
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