自分のハンドメイド作品のアイデアをマネされたりパクられたりすると嫌な気持ちになりますよね。もうSNSにあげるのが怖くなるかもしれません。
知的財産権や著作権、特許、などという言葉は何となく知っていますが、ハンドメイド作品にも取得できるのでしょうか。
私は、実際に実用新案というものをハンドメイド作品で取得しました。その方法と費用をお知らせします。
ハンドメイド作品でも知的財産権を取得できる!
わたしも取得した実用新案
先ほど書きましたが、私は実際に実用新案を取得しました。
私の友達も意匠権というものを取得しています。
特許庁のHP、j‐プラットパットをみると、ハンドメイドのようなアイデアもたくさん登録されているのが見られます。
どんなアイデアが登録されているか見てみよう
例えば、検索欄に「着物 リメイク」と打ち込んでみましょう。
すると、着物からリメイクする方法についての特許を見ることができます。
特許には小難しい書き方がしてあって慣れないですが、自分が出願するときに参考にできるように色々見ておくと良いでしょう。
ハンドメイド作品を登録するべき理由
知的財産権を登録するのは時間もお金も多少かかります。
でも、自分がしなかったら他の人や企業がその商品を販売したり、「私の発明です」って登録してしまうこともあり得るわけです。
そうなったら悔しいですよね。ぜひ、ハンドメイド作家さんには自分の作品を守る知恵を身に着けてもらいたいと思います。
意匠権や実用新案を取るのは難しい?
ネットの間違った情報
ネットで調べると、「ハンドメイド作品で意匠権や実用新案を取得するのは難しい」、と出てくることが多いです。
私はちゃんとしたアイデアなら、取得できると思っています。
実際、j‐プラットパットを見ると、ハンドメイド作品も登録されているのが分かります。
専門家に依頼すると高額に
ただ、先ほどの窓口で相談はできますが実際にパソコンで書類を作成するのは自分なので、多少根気がいるかもしれません。それができない人は弁護士さんなどに依頼することになり、料金が跳ね上がってしまいます。
それに、せっかく提出しても認められなかったらお金は返ってこないので、自分が認めてほしいことはどの部分なのか等、まずは無料の窓口でよく相談することが大事です。
知的財産権について無料で相談できる機関
窓口は各都道府県に一つずつ
守りたいものによって取得できる権利が違うので、「権利期間が長いから意匠権にしよう」という風に決めることはできないのです。
自分の作品にはどれが当てはまるのかは専門家に相談するのがいいでしょう。
私は岐阜県の知財総合支援窓口というところで無料で相談できました。
知財総合支援窓口は、全国47都道府県に一つずつ設置されています。
実際に無料相談に行って出願するまで
岐阜県の知財総合窓口は私の家から遠かったので、地域のビジネスサポートセンターに来てもらって初回の相談をしました。
商工会でもそういう場所を提供してくれるのではないかと思います。
二回目の相談は、ZOOMでしてもらいました。
参考になりそうな過去の事例から、「ここにはこういうことを書いてください」というのを具体的に教えてもらいました。
知財の書類は弁護士さんが書くような専門的な形式があるので、窓口の方のアドバイスなしにで自力で作成するのは無理があると思いました。
図も描く必要があるので、私はパワーポイントで描きました。
手書きの図をスキャンすることも可能だそうです。
出願する前に一度窓口の方と一緒に弁理士さんに見てもらいました。
問題ないということで、その日のうちに出願しました。
その日だけは窓口のある市まで行かなくてはいけませんでした。
私はノートパソコンごと持ってきました(笑)
出願するにも色々と難しいことがあり、一時間くらいでやってもらえました。
マイナンバーと、パスワードが必要でした。
料金は後日、郵便局から振り込みました。
ハンドメイドで取得できる権利の種類
特許
特許とは、技術的思想の創作である「発明」が保護の対象。権利期間は出願から20年。
意匠権
意匠権①物品、建築物、画像の②形、模様+色という二つの要素からなるデザインのこと。その意匠が量産可能である必要がある。権利期間は出願から25年。
実用新案
実用新案とは、物品の形状、構造または組み合わせに係る「考案」が保護の対象。権利期間は出願から10年。
知的財産権の出願は公表から1年以内
SNSに公開してしまったものはだめ?
知的財産権の出願は原則SNSなどで公表する前、となっています。
まだどこにも誰の目にも触れていない状態、ということです。
1年以内なら例外が認められる
でも、1年以内なら追加の書類を提出すれば大丈夫です。「このネット上にあるデザインは私のサイトです」という書類です。(新規性の喪失の例外証明書提出書)
最初にSNSやネットショップなどに公開してから、1年以上たっているものは残念ながら出願できません。
特許、実用新案、意匠権にかかる費用
実用新案や意匠権出願にかかる費用も先ほどのj‐プラットパットで算出できますが、よくわからないところもあると思います。
ここではざっくりどれくらいの金額がかかるのか説明していきます。
特許の出願にかかる費用
出願料
14000円
出願審査請求手数料
138000円+請求項の数×4000円
特許料
1~3年毎年4300円+請求項の数×300円
4~6年毎年10300円+請求項の数×800円
7~9年毎年24800円+請求項の数×1900円
10年~毎年59400円+請求項の数×4600円
異議申告申し立て手数料
16500円+請求項の数×2400円
審判請求料
49500円+請求項の数×5500円
実用新案の出願にかかる費用
出願料
14000円
1~3年登録料を同時納付(2100円+請求項の数×100)×3年
登録料
4~6年毎年6400円+請求項の数×300円
7年~毎年18100円+請求項の数×900円
ここまでが最低限かかる費用です。
私は請求項が一つだったので、3年分も同時納付で合計20600円でした。
ここからは実際に自分のアイデアをマネしている人を見つけた時に弁護士さんに依頼できるようにするために係るものです。
技術評価請求手数料
42000円+評価を求める請求項の数×1000円
審判請求料
49500円+請求項の数×5500円
意匠権の出願にかかる費用
出願料
16000円
登録料
1~3年毎年8500円
4年毎年16900円
審判請求料
55000円
*請求項とは、自分が認めてほしい発明やデザインの部分です。
*このほかに、パソコンからではなく手書きで申請すると電子化手数料というものが発生します
2400円+枚数×800円
ハンドメイド作品を知財で守ろう!
私の場合は、「SNS等で公表して1年」という期限まであと1ヵ月しかない状態だったので、集中してやりました。
「なんでも勉強だ、やってみたい!」という気持ちが強いので、できたのだと思います。弁理士さんにも「これ自分で書いたんですか?なかなか最後までできる人っていない」とほめていただきました(^^♪
窓口の方がとても丁寧に教えてくださったんですけどね。
私は町の情報誌によく目を通していて、おもしろそうなセミナーには隣の町でも行ってみたりします。岐阜の田舎ですが、調べると無料で相談できる場所が結構あるものです。「私はまだまだだから・・・」なんて思わずに、どんどん出かけてみましょう。
実用新案を取得しても、実際にマネしている人に弁護士さんから注意してもらうにはもう一歩手続きが必要で、それに通るのは難しいそうです。
でも、SNSやネットショップに「実用新案登録商品」って書いておくだけでも効果はあると思っています。
それに自分自身の勉強になりましたし、次の作品つくりのヒントを得たり、「これも特許を取れそう」、「次の作品で特許を取るにはどうしたらいいかな」ということを考えられるようになりました。
ぜひ多くのハンドメイド作家さんに自分の作品を守る知恵を身に着けてもらいたいので、参考になれば幸いです。
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