私は小学2年生のママですが、娘が赤ちゃんの頃、おむつなし育児をやっていたことがあります。おむつなし育児はオムツが早くはずれるのか?メリット・デメリットについて書いていきます。
おむつなし育児とは?
おむつなし育児は、赤ちゃんに、オムツではなくおまるやトイレで排泄する気持ちよさを味わってもらう、親子のコミュニケーションです。
うちは3ヶ月くらいの時に初めて知ったのですが、新生児からでもできるようです。
普段は紙オムツや布オムツを使いつつ、できるときはおまるなどでオムツを外して排泄させます。
だんだん赤ちゃんが出すサインを感じ取れるようになったり、コミュニケーションをとることが最大のメリットなので、完璧を目指そうとしなくて大丈夫です。
家にいるときだけ、起きたタイミングだけ、などお母さんも無理なくできるときのみ取り組むだけで、親子のコミュニケーションがずっと深まります。
主な特徴
- 排泄の自然な習慣を育む:赤ちゃんが生来持つ「開放された空間で排泄する」本能を引き出し、トイレトレーニングの必要性を減らす。
- おむつ使用の柔軟性:普段はおむつを使用しつつ、排泄時には外で行わせる。完全な「おむつなし」ではなく、状況に応じた使い分けが基本。
- 親子のコミュニケーション向上:排泄サインの観察や寄り添いを通じ、信頼関係が深まり、子どもの機嫌が良くなる。
おむつなし育児のやり方
- 排泄タイミングの観察:哺乳後や起き上がる直前など、よく排泄するタイミングを観察。
- 排泄サインの察知:赤ちゃんの動きや表情の変化を注意深く観察。
- 排泄環境の提供:オムツを取っておまるやトイレを用意し、支えてあげる。
赤ちゃんが排泄したいサイン
赤ちゃんが排泄したいときのサインはその子それぞれです。
それを見つけるのも楽しみの一つです。
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おむつなし育児って新しいもの?
おむつなし育児は新しいものではなく、昔は自然にされていたようです。
現代でも辺境地や狩猟採集民族の間では、現代の「おむつなし育児」に近い方法が用いられています。
だって、紙オムツも布もなかったら、そうするしかないですもんね。
具体的にはどうするかということが、「循環と暮らし」という本に書いてありました。
「アフリカの伝統的な生活をしているお母さんたちは、おむつをしない赤ちゃんを腰巻布で体にピッタリとくっつけて抱き、赤ちゃんが排泄したい時は、体から離して排泄させている。どうしたらそんなことができるのだろう、と、興味をもっていた。アフリカのお母さんたちにとって、腰にピッタリとくっつけている赤ちゃんが排泄したいかどうか、という感覚は、あたかも自分の感覚のようにわかるらしい。」
「さらに大正時代に創刊された「主婦の友」のバックナンバーには、昭和20年代には「赤ちゃんにおむつをつけるのは悪い習慣を身につけるようなものです」などと、“賢夫人”たる人が語っていたりして、「うちの子どもは皆、3、4か月ごろには、おむつは使っておりません」などと書いてあるのだ。びっくりした。こういう世界があったのだ。」
日本にもこういう時代があったんですね。
祖母によると、布オムツの頃はみんな、1歳ころにはオムツが外れてトイレでできていたようです。
そう思うと、自分にもおむつなし育児ができそうな気がしてきますね。
おむつ外れが早くなるって本当?
おむつなし育児の目的は、赤ちゃんとのコミュニケーション、赤ちゃんの本来の感覚に寄り添うことです。
なので、オムツ外れを早くすることは目的ではなく、副産物というか、そうなったらラッキーくらいの感覚でいいのではないでしょうか。
しかし、興味深い資料もありました。
「昭和10年には生後6ヶ月でおむつを外していたのが、昭和40年の平均は2歳近くになり、だんだんとおむつが外れる年齢が遅くなってきています。
紙おむつの性能が高くなり紙おむつに頼りすぎることによって、現代のおむつ外れの年齢は、4歳、5歳、中には小学生になってもまだおむつ、と遅れる子も増えてきています。
一般的なトイレトレーニングでは、赤ちゃんがおむつの中で排泄をするということを一度学習したあと、2~3歳になってからおむつの外という開放空間に排泄するということを学習しなおすことになります。排泄習慣を変えることって実は、とっても大変なことなんです。」
赤ちゃんは本当は開放的な空間で排泄をしたいのに、大人の都合で、「おむつの中にしてね」と教えられ、それに慣れていたのに、今度は「オムツじゃなくてトイレでしようね」と言われて混乱しているのかもしれないですね。
健康な大人がいきなり「オムツでおしっこをしてください」と言われてもできないように、子どもにとっても感覚を変えるのは難しいことなのかもしれません。
おむつなし育児のメリット
赤ちゃんとのコミュニケーション
おむつなし育児のメリットはとにかく、「赤ちゃんとコミュニケーションができる喜びが増える」ことです。
まだしゃべらない、動かない赤ちゃんとの一日って、思った以上にしんどいんですよね。
話しかけたり、歌を歌ったりしますが、一人でしゃべり続けるのもなかなか大変です。
かと言ってスマホを見ようとすると叩き落とされ、「何か喋れ」と口をつままれます。
おむつなし育児を始めると、赤ちゃんの反応を今まで以上に注意深く見るようになり、うまくできたらほめたり、一緒に喜んだりできます。
おむつの使用量が減る
二つ目は、オムツの使用量が減ることです。
紙オムツならゴミが減り、布オムツなら洗濯物が減ります。
この表にあるように、一年だけでも900枚近いオムツを使っています。
おむつなし育児をすることで、オムツの使用量を減らし、環境にも優しいと言えます。
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おむつかぶれがなくなる
最近の紙おむつはよくできていて、何回分かのおしっこを吸収できるようです。
でも、赤ちゃんにとっても、おしっこやうんちが体にペッタリついているのは気持ち悪いのではないでしょうか。
ある本によると、「赤ちゃんがおむつを取った瞬間におしっこをしたりするのは偶然ではない。排泄物をできるだけ自分から遠ざけたいと思うのは自然な本能」と書かれていました。
おむつなし育児をすると、排泄した後はしばらくはしないでしょうから、オムツをさせずに乾かすことも可能です。また、ずっとそばにいてあげられる環境なら、排泄サインを見逃すことがないので布おむつや、パンツでも大丈夫でしょう。
おむつなし育児をしている人で、「1歳くらいでおむつからパンツになったけれど、そんなに小さいパンツが売っていなくて困った」という人もいるようです。
おむつなし育児のデメリット
初期投資が高い
おむつなし育児にはおまるが必要です。
よくイメージするアヒルやアンパンマンのおまるは2~3歳用に作られており、大きすぎるので、おむつなし育児用のおまるがあります。
ネットで調べると、琺瑯性の取っ手のついた鍋のような、かわいいおまるがあります。インテリアにもなじみますし、使わなくなった後も布ナプキンの漬け置きや、ガーデニングにも使えそうです。
でもお値段が5000円以上するので、「おむつなし育児やってみたいけど、続けられるかどうかわからない」という人は躊躇するかもしれませんね。
心理的負担
一人目のお子さんや完璧主義なママの場合、頑張りすぎてしまうことがあるかもしれません。
家事もしないといけないので、頑張りすぎてストレスになってしまったり、赤ちゃんにも無理をさせてしまう可能性もあります。
そういう時は一度全部やめて休んで、元気になったら無理なくやっていきましょう。
失敗した時の掃除の負担
赤ちゃんをおまるに座らせて、「あれ?今は出ないなー?」と外したとたんに出たり、
おまるに座らせるのが間に合わなかったり、と失敗もあります。
そうなると拭いて、消毒して、服も汚れたら着替えせて、とちょっと忙しいです。あかちゃんの安全も守らないといけないので、一人だとてんてこ舞いになりますよね。
仕事をしていると難しい
仕事をしているママさんは「おむつなし育児やってみたいけど、難しい」と思うかもしれません。
保育園に預けるときは紙オムツなので、あかちゃんの感覚も戻ってしまうかもしれませんね。
お休みの日にたくさんコミュニケーションを取りたいときに、無理せずやってみてくださいね。
おむつなし育児のやり方
基本的なやり方
1.赤ちゃんが起きたタイミングとか、「今したそうだな」とサインをキャッチできたら、オムツを外して、おまるに座らせます。
新生児のまだ首が座っていないときは、寝たまま、おまるを当ててあげるだけでも大丈夫です。
2.「しーしー」と声を掛けます。
(嫌がる様子がなければ、5分くらい座らせて、歌を歌ったりして楽しく過ごしてもよい)
3.でたら、「すっきりしたね、気持ちよかったねー!」と声をかけ、一緒に喜びます。
この時、排泄物に対してマイナスな感情を感じさせるようなことは言わないように気を付けましょう。
場所を決める
毎回同じ場所でするように場所を決めることも効果的です。
赤ちゃんも「ここに来たら、おしっこをするんだな」、とわかります。
部屋の隅、大人と一緒にトイレのスペースで、開放感のあるお庭で、というのもいいそうです。
おむつなし育児をするために準備するもの
おまる
先ほども触れましたが、おむつなし育児用の琺瑯製のかわいいおまるがあります。
でも値段が結構高いので、小さめのバケツとか、お鍋とか、百均のケースとか、なんでもよいと思います。
布おむつ
家にいてゆっくり赤ちゃんと向き合うなら、布オムツも使ってみようかな、と思うママさんもいるかもしれません。赤ちゃんの感覚に敏感になってくるとこだわりたくなりますね。
布オムツも初期費用がかかりますが、長い目で見ると紙オムツより安く済みます。
おむつカバーも防水でサイズ調整できるものも売っています。
防水シート
防水シートも必須ではありませんが、失敗した時の掃除を減らすためにあると便利です。洗えるタイプもありますし、使い捨てのペットシーツでもいいですね。
寒さ対策
冬におまるでさせる場合は服を脱がせるので、腹巻やレッグウォーマーなどを使ってあげることもできます。
小さい下着
おむつなしに成功してきたら、おむつではなくパンツを履かせたいですが、そんな小さいサイズはなかなか売っていません。私はお友達にふんどしパンツを作っている人がいたので、小さいサイズを作ってもらいました。
心のゆとり
一番大切なのは心のゆとりです。
「赤ちゃんのサインを絶対見つけなきゃ」とか、「絶対失敗しないようにしなきゃ」とか、「なんでできないのかなー?」とか、考えないことです。
「今日はやってみようかー」とか、「今できそう?」とか「今日はお天気が悪いからお出かけできないし、何かしようか?」とか、そんな感じでやってみてもらえたらと思います。
おむつなし育児を楽にするコツ
私がおむつなし育児をやり始めたとき、成功するといちいちおまるを洗いに行っていました。
トイレに流し、おまるを洗い、消毒スプレーをするので、結構な時間がかかります。
そのうち、娘は「おまるでおしっこをすると、ママがいなくなってしまう」と学習したようで、おまるでおしっこをしなくなってしまいました。
私も、ちょっと面倒だなと感じていた時に、よい方法を見つけました。
1.おまるにビニール袋をかぶせ、
2.ペットシーツを中に敷き、
3.排泄が終わったら、そのまま捨てる
という方法です。
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これがとても便利でした。
車の中にもバケツとこのセットを用意し、小学生になるまで使いました。
コンビニを探さなくてもよいし、公衆トイレの病気などの菌の心配もないので、安心です。
「なんでさっきトイレに行っておかなかったのー!」などと怒る必要もなくなるので、子育て中のストレスも減ります。
おむつなし育児をやっていた時を振り返って
私は子どもが3ヶ月くらいのときにおむつなし育児を知りました。早速、琺瑯のかわいいおまるを買い、布の便座カバーを作りました。
3ヶ月くらいの赤ちゃんがおまるに座っているのは、とてもかわいいものです。
娘も、「ここでおしっこをするんだな」とわかるようで、「ふんっ」と力を入れてみてくれます。出ないと、首をかしげて、「でないみたい」と教えてくれるし、でたら、誇らしげにしています。
一度、夫が「俺もやってみたい」と娘を長時間おまるに座らせてしまいました。
娘は「出ないみたい」とアピールしているのにわかってもらえなかったため、その日からおまるに座るのを拒否するようになってしまいました。
そのためしばらく、おむつなし育児はお休みしていました。
1歳の夏、オムツを外して過ごさせるということをしてみました。つまり、ノーパンです。ノーパンの間は自分でおまるのところへ行って排泄ができました。でも布のパンツを履かせると、その中でしてしまいました。秋になり、寒くなったのでおむつに戻りました。
2歳の夏も同じようにトライしてみました。でもやっぱり布のパンツを履くとその中でしてもよいと思うみたいでした。また、うんちはわざわざ紙おむつを履いて、その中でしたりしました。
3歳の夏、やっとオムツが外れました。
私は結局、娘の排泄サインははっきりとはわかりませんでした。
おむつがはずれたのも3歳で、標準でした。
もしかしたらおむつなし育児をしたとはいえないかもしれません。
でも、やってよかったな、楽しかったな、と思っています。
言葉でコミュニケーションできない赤ちゃんとの、特別なコミュニケーションができた気がしています。
おむつなし育児まとめ
おむつなし育児のことを改めて調べて振り返ってみると、「あー、大変だったけど楽しかったなぁー」と思います。できるならもう一度やりたいですね。
子育て中はママがご機嫌でいることが一番なので無理はいけませんが、、赤ちゃんと楽しく過ごしたい人は、ぜひやってみてくださいね。
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